国家総合職 教養試験について

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今回は公務員試験受験者であれば誰しもが経験する教養試験について解説します。

この記事では特に大卒程度 国家総合職の教養試験について科目ごとに解説していきます。

教養試験は正確には「基礎能力試験」といいます。

国家公務員総合職の筆記試験は一次試験と二次試験に分かれており、教養試験はそのうちの一次試験の試験になります。

院卒者試験の場合は問題構成が少し異なりますのでこちらの記事も参考にしてください。

大卒試験の教養試験は全部で40問あり、文章理解、数的処理、試料解釈、時事、自然科学、人文科学、社会科学に分かれています。

文章理解

文章理解は40問中、11問出題されます。11問のうち4問が現代文、7問が英文という構成になっています。また、現代文のうち2問が内容把握、のこり2問がそれぞれ文章整序、空欄補充となっており、英文では5問が内容把握、残り二問がそれぞれ文章整序、空欄補充となっています。

文章理解は国家総合職の教養の中では難易度が低く、点数の取りやすい科目となってます。特に内容把握問題では、選択肢と出題文章を照らし合わせながら読むことで正解を見つけられるため確実に得点しておきたいところです。

一次試験突破を見据えると、少なくとも11問中6問は正答したいところです。

数的処理

数的処理は40問中、14問出題されます。そのうち7~9問が判断推理、5~7問が数的推理という内訳になっています。判断推理では、集合・命題、対応関係、順序関係、平面・空間図形などが出題されます。数的推理では、場合の数や確率、方程式、平面・立体図形の計量などが出題されます。

国家総合職の教養試験の中では難易度は高めです。しかし40問中、14問を数的処理が占めているため数的処理対策を無視できる人は多くないと思います。

そのような場合はまず数的推理の分野から勉強していくことをお勧めします。それは判断推理は得意不得意が分かれる一方、数的推理では文章を理解し、計算して解いていく問題が大半なので取り組みやすいというメリットがあるからです。

とりあえず過去問を見て自分がやりやすそうな問題から勉強していくといいと思います。

一次試験突破を見据えると、苦手な方は5問、理系学生など得意な方は10問正答を目標にするとよいでしょう。

試料解釈 

試料解釈は40問中2問出題されます。主にグラフや表などから情報を読み取り、正しい選択肢を選ぶ形になります。国家総合職の教養試験の中では難易度は比較的優しいものの、年度によっては計算量が多い年もあります。

2問出題されるうちの少なくとも1問は正答したいところです。

時事

時事は40問中3問出題されます。直近数年の社会情勢、国際情勢、科学技術、産業などのテーマが問われます。また、重要な法改正があった年は、その内容については要チェックです。時事は社会科学との親和性が高いので、単独学習でもいいのですが社会科学の勉強を一通り終えてから取り組む方が学習効率は良いと思われます。

時事対策については、年明けに実務教育出版から「速攻の時事」が発売されるのでそれを待ってからでも問題ありません。また、国家総合職の場合、1月中には試験問題が完成するのでそれ以降の時事ニュースについては問われません。

ただし国家一般職や、地方公務員試験では問題が確定するのがまだ先なので1月以降のニュースについても押さえておく必要があります。

自然科学

自然科学は40問中3問出題されます。基本的には物理、化学、生物が1問ずつ出題されるのですが、2~3年に一度生物の代わりに地学が出題されます。問題の難易度は高校レベル、もしくはプラスαといったところです。また、科学系の時事ニュースに絡んで出題されることも多々あり、インフルエンザがはやった年には生物でウイルスの基礎知識などが問われたこともありました。

ちなみに国家 I 種の時代は数学の出題もありましたが、国家総合職になってからは出題されておらず特に対策は必要ないと思われます。

理系であっても専門としていない科目、分野は、難しいと感じることが多々あるので、文系学生にとっては難易度は高いと感じられるでしょう。

理系学生ならばコンスタントに3問中2問は正答したいところです。文系学生は1問正解できれば御の字でしょう。

人文科学

人文科学は40問中4問出題されます。出題内容は日本史、世界史、思想、地理です。いずれも高校レベルの内容について問われるのでさらっと大学受験で勉強した科目は復習しておいて損はないでしょう。

思想はなじみがない人も多いかもしれませんが、人名と関連するキーワードを紐づけて覚えることである程度正解の期待値は上げられます。

例)

・デカルト ー 「我思うゆえに我あり」、物心二元論

・孟子 ー 性善説、仁義に基づく王道政治  など

また一通り学習するのにも数時間あればできるので、試験直前一カ月で仕上げることもでき学習効率は高いです。キーワードをある程度覚えたら過去問を解きながら知識をアップデートするとよいでしょう。

少なくとも1問、3問正解できれば大きなアドバンテージになるでしょう。

社会科学

社会科学は40問中、3問出題されその内訳は法律、政治、経済です。難易度は比較的優し目でしっかりと勉強すれば、容易に選択肢を切っていけます。ただ各法律の概要から、判例、EUやASEANなどの経済的な枠組み、日本の金融政策などかなり幅広いので分野ごとに絞った勉強をして行く必要があります。

社会科学では少なくとも1問、できれば2問以上正解したいところです。

まとめ

各科目とその簡単な対策について解説しましたが、まずは過去問を確認し、各科目まんべんなく勉強し、そのあと各個人の特異不得意に合わせて力を入れる科目とそうじゃない科目を決めていけばいいです。

教養試験では40問中22~23問正答を目標にするとよいです。もちろんそれよりも点数が低くても問題ありませんが、専門試験でより点数を取らなくてはいけなくなります。22問前後正解できれば十分一次試験突破ラインであり、余裕をもって専門試験に臨めるでしょう。

なお、教養試験には足切りがあり、11点以下だとその時点で不合格になるので注意しましょう。

公務員試験はいい点数を取る試験ではなく、取れる問題を確実にとっていくことが大事です。目標点を踏まえ、各自が適切な資源配分を考えて学習していきましょう。

卒者試験の場合は問題構成が少し異なりますのでこちらの記事も参考にしてください。

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