文章理解-ポイントと対策

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この記事では国家総合職試験(大卒程度)の文章理解の解き方と対策方法に過去問を例について解説していきます。文章理解は国家総合職の教養の中では難易度が低く、点数の取りやすい科目となってます。文章理解でしっかりと点数を稼ぎ、試験を優位に進めていきましょう。(掲載の問題は平成30年度の国家総合職の教養問題です。)

出題内容と解き方

文章理解は教養試験の全40問中、11問出題されます。11問のうち4問が現代文、7問が英文という構成になっています。また、現代文のうち2問が内容把握、のこり2問がそれぞれ文章整序、空欄補充となっており、英文では5問が内容把握、残り二問がそれぞれ文章整序、空欄補充となっています。

内容把握問題

文章理解(現代文)の最初の二問は内容把握です。内容把握問題は、文章を読んでその内容と一致する選択肢を選ぶ問題です。国家公務員(総合職・一般職)試験の内容把握問題はすべてこのタイプです(現代文、英文ともに)。

基本的に選択肢は、文章の中で出てきた順になっています。なので、選択肢の内容を確認してから本文を読み進めていくことをお勧めします。本文を読む中で選択肢の内容について書かれている場所があれば、選択肢の内容と照らし合わせながら正誤を判断していく、という流れになります。基本的には正解を探しに行くのではなく、間違っている選択肢を排除していくイメージです。

選択肢の1,2は人間の行動様式について問われています。これは最初の段落に書かれています。1は文化的規範や価値によって行動が決定されるのではなく、制限が加わらないとどう表現すべきか決まらないのであり、誤りとなります。2は制限されたため多様な表現が可能であるのではなく、制限によって多様な表現の中から適切な表現を選択できるのであり、誤りとなります。

3は暴力から内面化された規範による服従への「変容については述べられておらず「望ましい」とされているにとどまっているため誤りです。

5は支配関係はすでに「我々の生活の根本」となっており、支配関係の構築が「迫られている」わけではないため誤りです。

よって4が正答であり、内容とも合致します。

文章整序問題

内容把握の次は文章整序です。文章整序では、各選択肢にある接続詞や代名詞などから前後関係を組み合わせて解いていきます。例えば以下のNo3の問題では、私なら次のように解きます。

まず、BかDのどちらが先頭に来るかを考えます。Bに着目すると「この手続きとは」で始まっており、この文章の直前には「手続き」を指す、方法や過程の話がくることが想像できます。そのうえで1~5の選択肢を見るとBの前に来るのは、問題文の□の文章か、AもしくはCです。Aでは資本主義の機制(仕組み)の話をし、Cでは明らかに「この手続き」とは結び付きません。したがってBが先頭に来ることがわかり、正解は1 or 2に絞られます。

次に、他に前後関係を推定できるワードが入っている選択肢はないかと見渡すと、Eに「言い換えれば」というワードがあります。「言い換えれば」の後に書かれている内容は、Eの直前にくるの選択肢の内容と一致するはずです。選択肢1,2を見るとEの前にはAもしくはBがくることがわかります。ここでA→E、B→Eと読んでみると、A→Eの順では特に引っ掛かりませんが、B→Eの順では違和感があります。急に「資本主義」の話が出てきたからです。それまでに資本主義の話はされていないのに、言い換えたらなぜか資本主義の話が出てくるわけですから、B→Eは間違いです。よって正解は1です。

文章整序のポイントは、選択肢の前後関係を論理的に、丁寧に探し当てることにあります。特に他の試験種と違って総合職は文章が小難しく、時間がない中で早く解こうとして焦って雑になると全部正解に見えてきます。実際私も文章理解の中では、文章整序が一番難易度が高いと感じていましたし、対策にも時間がかかりました。

文章整序の学習ではとにかく丁寧に問題を解き、時間がかかってでも正解できるようになることが大事です。数をこなしていく中で、自分なりの解き方や感覚を研ぎ澄ましていきましょう。総合職レベルの文章整序が難しい場合は、国家一般職や地方上級レベルの問題からトレーニングしていくことをお勧めします。総合職の問題を解いた後に、一般職の問題をみるとめちゃくちゃ簡単に見えますよ(笑)

 



空欄補充問題

最後に空欄の穴埋め問題です。この問題の場合は、空欄に入る内容に先入観を持たないようにするために、選択肢は見ずに本文に入ります。空欄以外の本文を一通り確認し、前後で話の内容が合うためには空欄にどのような内容が入ればいいかというのを自分で考えてから、選択肢を見ていきましょう。

一段落目に意見の不一致がある場合はその対象の認識意味体系の確定に関する検討を行うと書いてあり、空欄内も二人が議論するのは認識意味を一致させようとする旨の記述が入ることが考えられます。よって3が正答となります。

試験対策

英文についても解き方や問題の進め方は現代文と同じです。

基本的には過去問500などを使い、過去問を解いていく中で自分なりの感覚を磨いていくといいと思います。最初は時間をかけてでもしっかりと正誤が区別できるようになるのが目標です。正答率が上がってこれば時間を測って早く解く練習をしていけばよいでしょう。

私は文章理解の一番最初のとっかかりとして「公務員試験 無敵の文章理解メソッド」を使用しました。そんなにボリュームのある本ではないのですぐ読めると思いますし、一読しているとしていないのでは問題の見え方・捉え方が全然違うと思いますのでお勧めです。

また、英文対策としてはTOEICなど英語資格の勉強も効果的です。英語資格で一定点数以上獲得していると、筆記試験の全体得点に加算がもらえます。この加算は専門択一の3-7問分の正答に相当すると考えられ、かなりのアドバンテージになります。

英語試験加算

英語試験の加算を希望する場合は、各試験の得点の証明書を二次試験の人事院面接の際に提出する形となります。そのため、人事院面接がある日までに得点の通知が届く試験日程で何度でもチャレンジできます。TOEICであれば人事院面接(5月下旬)のある日までに結果通知が届く日程、つまり3月いっぱいの試験日まで受験可能です。

英語資格対策に加えて、CNBCなど英語圏のニュースサイト、TEDedなどで社会ニュースやアカデミックな内容を英語で捉える練習も効果的だと思います。

文章理解対策のスケジュール感としては、年末まではじっくりと問題に向き合い、7割程度正答できるようにし、年明けから徐々に解くスピードを上げる練習をしていくのが理想だと思います。

得意不得意はあると思いますが、他の科目と上手く擦り合わせながら対策をしていきましょう。

 



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