Ames試験について解説

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この記事では国家総合職試験(化学・生物・薬学)の遺伝学に頻出なテーマである遺伝学について解説します。Ames試験に関してはH22年度試験、H27年度試験の二次試験で出題されています。

Ames試験の概要

Ames試験はある化学物質の突然変異誘発能をテストする方法です。サルモネラ菌の突然変異体を用いて、野生型への復帰体が生じる頻度を調べることで突然変異誘発能を評価します。

原理

Ames試験では、必須アミノ酸であるヒスチジンを作れないをような変異の入ったサルモネラ菌(His要求性サルモネラ菌)を用いて行われます。

既知数のHis要求性サルモネラ菌を、コロニーが生じない必要最小限のHisを含んだ培地に被験化学物質とともに植える。His要求性のサルモネラ菌はコロニーをつくることができないが、被験化学物質により変異が生じた復帰体である野生型のサルモネラ菌は自らHisを合成しコロニーを形成することができるようになる。一定時間経過後にそのコロニー数(野生型のサルモネラ菌)を計測することで被験化学物質の突然変異誘発能を評価する。

aのプレートはコントロールのプレートであり、被験化学物質は含まれていない。ここで生じた野生型の突然変異コロニーは自然と自然突然変異によるものと考えられる。bのプレートの中心には被験化学物質のしみ込んだろ紙が置かれており、aからbのコロニーの増加はその化学物質の影響によるものと考えられる。

また、それ自身は突然変異誘発能を持たないがその代謝産物が突然変異誘発能を持つような化学物質もあります。それを調べるために代謝酵素と一緒に培養することもあります。

国家総合職過去問演習

H27年度 国家総合職 化学・生物・薬学区分 遺伝学 に実際に出題された問題です。

解答はこちら

参考文献

中村千春,「基礎生物学テキストシリーズ1 遺伝学」,p99-100,化学同人,(2013)

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